手紙を出す
ホームページに戻る
「フォークソング」の負け要素
パソコンゲーム「フォークソング」(リューノス)と「Kanon」(Key)の差について、というかシナリオとしての勝ち負けを考えてみました。
1.前置き知識
「フォークソング」は99年11月、「Kanon」は99年の5月に発売されました。
売り上げの勝ち負けは伝聞ですが、「Kanon」は5万本とかなりのヒット。「フォークソング」はそれに遥かに及ばないらしいです。
実際に初回版の扱いで見ると、「Kanon」は初回版が一週間経たずに売り切れ、なんと当時の売り値(店頭で6500円程度)よりも高い買い値を中古屋が付けている(8000円)時期までありましたが、一方の「フォークソング」は発売一ヶ月後には秋葉で初回版が新品5000円まで落ちる有り様でした。
人気のバロメータとして便利な同人誌ですが、「とらのあな」などを覗いてみれば分かりますが、「Kanon」の圧勝です。
2.勝敗判定
純粋に内容だけを見ての判定です。(芸術作品の良し悪しと同じで、個人個人が判断すればいいだけの話ですが、ここではあくまでも評論という意味で実施します)
両者を比較して、技術的な面ではそれほど大きく優劣があるようには見えませんでした。優劣が明確に出ていたのは”テーマ性”の部分で(どちらかと言うとシナリオレベルではなく企画レベルと言う方が正しい)ここについては
「フォークソング」:田舎町における”純愛”。
「Kanon」:過去に傷を持つ者が信じる”奇跡”
となっており、18禁ゲームとしては”純愛”の方が正しいように思えますが、実際はそうではない。何せ、”純愛”をテーマとした18禁ゲームは沢山あるが、”奇跡”をテーマとした物は(その時点では)殆ど無いようです。エロゲーラッシュとまで言われているタイトル数の多さの中で、作品性、オリジナリティを主張するには他には無い物を前面に押し出す方が良い選択肢である事は言うまでもありません。
発売前から「Kanon」の勝ちは確定していたのでしょう。
3.今後のリューノスに期待する事
作品限定のユニットというのは、飽和状態になっている業界での生き残り策としてはかなり有効に作用する可能性を持っています。エンジンの共通化などにより開発費用の有効活用がなされればその分を作品のクオリティに充てられます。
つまり、「リューノス」に限らず、弱小ソフトハウスとしてバラバラに食い合うよりはさっさと業務提携して健全なシステムを作っていって欲しいという事です。