12/28

お題目:また、こんなにせっぱ詰まって……
 んなわけでー、ようやっと、新刊予告です………って、前日じゃ〜〜〜〜!(業泣)。
 コピー・製本もまだ終わってないし………どうなるんじゃ〜!!。

 というわけで、冬コミでの販売予定です。
 ご確認下さいませー。うう……。
  • 『APS3+亜生命戦争異聞(2)』(コピー・32Pくらい)《冬コミ新刊》
  • 『gShot〜銀河皇帝怪進撃』(MacOS用シューティングゲーム)
  • 『亜生命戦争異聞』(コピー・32P)
  • 『へれいめ』(コピー)
  • “きっと愛のせいね!”THE MEGA Dictionary POLTERN(あとちょっと)
  • "Saturn's wake"THE MEGA Dictionary BRAVO!(あと四十冊くらい)
  • その他、何か(笑)。


 販売ブースは、一日目(土曜日)・西地区・こ−19a“銀河帝国書院”でありまする〜。
 二日目は、二日目(日曜日)・東地区・ヨ−55a『BlackDwarf』にて、平野の新刊とともに売っておりまする〜。『gShot』のテストプレイもできますよん。
 『gShot』に関しては、二日目(日曜日)・西地区・か−03b“Studio Maruan”様にも委託させていただいておりまするー。


 んなわけで、今回はサークルブース内でくたばっていると思いまする〜。ガク。
 うう、今回は、出そうとした本の半分も出せなかった………次こそは………!!。

 では、当日お会いいたしましょう。

Number of hit:23033+14500くらい


12/09

お題目:亜生命戦争異聞#15
 ゴメンなさい、更新遅滞しております。コミケ体制に入り次第、さらに更新遅滞というていたらくに陥ると予測されており、申し訳ない限りであります。トホホ。
 んなわけで、亜生命戦争異聞の第十五回をお届けします。ちなみにイラストと内容は一切関係ございませぬ〜。


「よし、ここまでにしよう。」
 この一言で、研究室内の緊張は、一気にほぐれた。
 古池自身も実験用の小形真空チェンバーの前の作業椅子に腰を下ろし、大きく息をついた。
 楊らは集めた資料を主電脳に転送したり、様々な機材や装置の電源を落したりして、実験の後処理を始める。
 天井を見つめていた古池は、眼鏡を外して眉間を揉んだ。
 いつもの事だが、実験が成功裏に終わっても、どうも一段落した気がしない。
 量子電池の試作を作り終えたときの方が、まだ達成感が得られた。
 以前、ダンツにそう話したことがあったのだが、その時、老委員は笑ってこう答えた。
『君は生来の研究者だな、古池君。結果を公表する前から次のステップを目指している。』
 古池は自分が、『生来の研究者』などという大したものではないと思ってはいるが、ダンツのこの言葉はあながち間違いとは言えない。
 頭の奥では既に実際のナノマシンへの実装や、そこから生まれる問題点が渦巻いていた。
「博士(せんせい)、コーヒーです。」
 振り返ると、主電脳へのデータ転送に四苦八苦している楊(ヤン)に代わって、オーバルが皆にコーヒーを渡している。
「あーん!、どうして転送できないのよ!」
 実験用のシステムコンソールが置いてあるテーブルを叩いて叫ぶ楊(ヤン)。
 すかさず間の手が入る。
「SWORD(S−OS)なんか使うからだぁ」
 振り返った楊(ヤン)は、両手をぶんぶん回して反論する。
「私は九龍(QOS)が嫌いなの!」
「九龍使えよ〜。みんな使ってるよ〜。」
 降って湧いたように始まったOS論争に、古池は苦笑してコーヒーをすすった。
 楊(ヤン)はデータ転送のことなどすっかり忘れたのか、他の研究員や助手と白熱した議論を繰り広げている。
 古池は目の前の真空チェンバーを見た。
 一立方メートル程度の真空空間を確保できる程度で、今の時代では小形のもの。
 球形のチェンバーには走査型電子顕微鏡や、真空ポンプ、プラズマ試験用の高圧放電装置、内部の試料を直接操作するためのマイクロマニピュレーターが装備されている。
 充分とは言い難いが、必要最低限のレベルには達しているし、何より古池にはより良い機材の為の予算を組むほどの地位に居るわけではない。
 研究者は皆平等というのが委員会の建て前だが、実際はと言えば、研究機関にありがちな勢力争いや、派閥の確執などがある。
 かといって、古池はあの学会(アカデミー)や大学の様な、お互いの足の引っ張りあいと自己権益の拡充と予算の増額だけを目的として研究の方針が決定されるような場所に戻りたいとは思わない。
 ここにも世のしがらみや確執はあるが、少なくとも、古池が自らの仕事として恥じることのない目的があり、研究を行うに充分な機材、生活するに困らない給与、そしてなにより、責任のある自由があった。
 今回の実験のために試作された量子電池は、そのチェンバーの中央にある試料台の上に、幾つかの付属回路と共に鎮座している。
 その大きさは、わずか数百ナノメートル。純鉄を帯状に形成し、これを螺旋状コイルとして巻いただけだのシロモノだ。
 こんなものから無限とも言えるエネルギーが取り出せるようになるとは、誰も思いもよらなかっただろう。
 しかし、真空のエネルギーは純鉄の螺旋コイルを介して確実に抽出されていた。
 古池自身が、実験結果が理論値に従っている事を確認し、驚いたくらいだ。
 様々なデータを収集するために、これからも試作と実験を繰り返さねばならないが、ナノマシンの動力源問題はこれで解決できたと言っていいだろう。
 気がつくと、オーバルがこちらを見ている。
 どうやら、いつのまにか渋面を浮かべていたらしい。
 実験終了直後に、室長の自分が渋面を浮かべていたのでは、不安にもなるだろう。
『何でもない』と言おうとしたとき、オーバルが古池の顔ではなく、その後ろを見ているのに気がついた。
 首を回して見てみると、背後の開放型ラックにあるネットワークハブから一本のケーブルが外れかかっている。
 色はブルー。
 楊(ヤン)の端末に接続されている筈のケーブルだ。
 計測機器の精度に影響を与えるため、研究棟内では許可された一部の無線機器、そして実験そのもので使用する機材以外は一切の電波源の使用が禁止されている。
 その為、端末と主電脳の通信などには、すべて古色蒼然とした光ケーブルや重シールド線が用いられているのだが、どんなに優秀なケーブルでも端子から外れてしまっては情報をやりとりできる訳がない。
 楊(ヤン)の方を見てみる。
 長時間意識を集中していた事の反動か、OS論争の方にすっかり気を取られてしまっている。実験が成功に終わって、気分が高揚しているのかもしれない。
 何にせよ、当分、ケーブルの接続ミスを発見しそうにはない。
 気がつかれない様にそろそろと立ち上がった古池は、外れかかったケーブルをハブに差し込む。
 一瞬、ポートの状態を示すLEDが黄色で点滅し、セルフチェックであることを告げる。その直後、同期シグナルの入力を示す緑色となり、接続が正常に行われた事が分かった。
 振り返ると、オーバルが声に出さず笑っている。
 そのオーバルの肩をたたいて後のことを任せると、古池はノート端末を抱えて研究室を出た。
 廊下の窓から見えるはずの外の風景も既に夕闇に飲まれている。
 予想以上に実験に手間取ったこともあったが、それと同じ位に日が短くなってきたことを実感した。
 各研究室から少しづつはみ出した機材や試料棚が乱雑に並べられた長い廊下を抜け、一階から三階まで貫く巨大な収束電子顕微鏡室の角を曲がる。
 電子顕微鏡室の入口には『修理中』の看板が下げられていた。
 ビーム収束部コイルの調整に手間取っているのだが、その原因が調整に嫌気が差した担当者が収束コイルを蹴飛ばした事なのを知っている人間は少ない。
 脇の階段を二階まで降りて、職員食堂に入った。
 古池の居る研究棟の二階は、その約半分を職員食堂が占めているが、時間が遅いこともあって今は人もまばらだ。
 入口脇の券売機でコーヒーの食券を買い、カウンターで交換、窓際の席に腰掛ける。
 職員食堂のコーヒーがうまいわけではないが、手許にこういった飲み物が無いとどうにも落ち着かないのだ。
 実験結果を見直すつもりで、ノート端末を開く。
 しかし数分後、端末の画面に表示されていたのは、実験データではなく、スクリーンセーバーのアニメーション。
 数時間の実験の疲れは、じわじわと古池の体を這い上がっている。
 学生の頃は、この程度の実験で疲れが来るなんて無かったのになぁ。
 自分の年齢を嫌な形で思い知らされる。
 頭を振って頭の中の霧を吹き飛ばそうと試みるが、ハッキリとした効果は認められなかった。
 仕方無しにポケットの中に一枚だけ残っていたガムを口に突っ込み、苦虫を噛み潰すように噛む。
 眠気覚ましに四苦八苦しているところに、どこからか呼ぶ声が聞こえてきた。
「古池君?」
 おろしたてのシャツとは言い難いが、しっかり絞った雑巾程度に冴えた頭であたりを見回す。
 カウンターの方に、見慣れた白髪頭がコーヒーを片手に立っていた。
「ダンツ委員。」
 古池が立ち上がろうとすると、ダンツは手でそれを止め、古池の前に座った。
「いやあ、久しぶり。いろいろと問題が持ち上がっててね。ようやく研究棟(ここ)に帰ってこれたよ。」
 ダンツは多少やつれてはいたが、『いや、まいった』と繰り返すその口調からは、それほどの疲れを感じることはできない。
「随分と忙しい様で…」
「忙しいんじゃないよ、こりゃ歳のせい。」
 老委員は椅子の背もたれに体を預け、手を振って否定した。
「そういえば、古池君。見せてもらったよ、この前の中間報告書。随分とノってるみたいじゃないか。」
「あ、いや、こりゃどうも…」
 古池は、ダンツが自分の提出した中間報告書にまで目を通していることに驚いた。この研究棟は委員会の管轄する研究施設の中では小規模だが、それでも八十の研究室があるのだ。
 もしかしたら、中間報告書の提出を四回もすっぽかした古池は、委員会からマークされているだけなのかもしれない。
「いやね、帰ってきて早々に、コスナー君がやってきて、『古池が面白いものを書いてきましたよ』って。」
 なるほど、コスナー先生から回ってきたのなら、納得もいく。
「で、ボクもあれ面白そうだと思うんだけど、どうだい?、モノになりそうかい?」
 ダンツは、久しぶりに面白いモノに行きあたったかの様に、身を乗り出して聞いてきた。
 こうなってくると、古池も悪い気はしない。
「いや、実は今さっきまで、試作品の性能を確認してたんですよ。理論値にはまだ及びませんが、一発目にしちゃ、かなり良い数値を出してくれています。今度の報告書で、そのあたり詳しく書きますよ。」
 古池はコーヒーを一口すする。
「コスナー先生は何と?」
「うん。彼ね、かなり興味あったみたいで次回の『宿題』候補にするみたいな事を言ってたよ。」
 『宿題』。この言葉を聞いて、古池は一気に青ざめた。
 委員会で特に、アヴァロン開拓計画において、特に有益と考えられる研究については、関係する全研究者に対しての『宿題』として提示される。
 この様な形を取ることによって、研究者を自発的に傾斜配分させるのだ。
「うへぇ、困りますよ。そんなの。」
 古池は素直に言う。
 自分の研究が委員会の『宿題』に選ばれることは、普通に考えれば名誉なことだが、古池のような下っ端研究者にとっては、身に余る。
 通例、『宿題』として提示される研究を行っていた研究員は、この中でもっとも優れた結果を残している。この場合で言えば、古池は最も優れた研究結果を残さなければならないのだ。
 古池に与えられた限られた予算や機材では、とてもそんな結果を出せるとは思えない。
 コーヒーを一口飲み、話題を変えた。
「ところで、本部の方で、何か問題でもあったんですか?」
「ちょっとね、あっちで作ってるやつで、色々と。」
 ダンツはちょっとため息をつくと、天井を指さした。
「どんな問題なんですか?」
 古池は声を落として聞き直す。
「うーん、こんなところであんまり言うもんじゃないし」。ダンツは苦笑して続ける。「古池君も近いうちに行くわけだし……その時に詳しく話すから。」
 大抵のことなら話してしまうダンツがはっきりと言わないという事は、その問題が委員会のかなり高いレベルの機密事項に属しているか、そうでなければ、聞かせたくない理由がある事を示している。
「さほど大した事じゃないんだけどね。」
「それなら、良いんですが…」
 窓を見る。
 食堂の大きな窓には古池とダンツの姿がうつり、その向うに風力発電塔の衝突防止燈が赤く点滅し、微かに山の稜線が見える。
 外は随分と寒くなっているようだ。この窓も結露防止処理がされていなければ、すっかり結露しているだろう。
「ロバート君は、最近どうかね?」
「ここ一二週間は研究室に篭りっきりですよ。呼吸の問題がどうしても解決できないって。」
「呼吸?」
 ダンツは、ひゅ、ふ、と深呼吸してみせる。
「この、呼吸かい?」
「そうです。スケールはかなり小さいですけど。今、ロブが頭を抱えている呼吸は、細胞レベルでの呼吸のことです。アヴァロンの環境改善初期に使われる細菌類は、酸素呼吸以外の方法でエネルギーを得る必要があるんですが、酸素呼吸ほどに効率が良い呼吸方法は仲々見つからないようです。」
「ふむぅ。結局、細菌も我々も呼吸でエネルギーを得ているわけだね。」
「そうなりますね。」
「エネルギーって、特別なものなのかね?」
「いや、私も生物が専門ではないので、そこまではよく分かりません。多分、化学的なものなんじゃないですか?」
 ダンツはカップ半分となったコーヒーに、クリームパウダーを入れてスプーンでかき回す。
「生き物は面倒だよねェ。機械なら、電池入れればガチガチ動くのに。」
 そう言って笑うダンツ。
 古池も、老委員の発想に、一緒になって笑った。
「そういや、古池君。まだ『出張』の書類が提出されてないみたいだぞ。」
「え?、あの書類、いつ出しても良かったんじゃないんですか?」
「事務方が泣きついてきたぞ、ロバート君と君の分の書類が届かないって。」
 古池は頭を抱えた。
「ロブが『いつ提出しても良い』なんて言うからすっかり安心してたんですよ。」
「自分で書類を確認しなきゃ駄目だよ。まあ、まだ余裕はあるはずだから、早めに出してくれるかな。事務方には、こっちから言っておくから。」
「はいーッ。」
 ダンツに向かって深々と頭を下げる古池。この前の中間報告書の一件に続いて、またもや借りを作ってしまった。
 それから計画の進行状況や、相変わらず頭の固いお歴々への、ぼやきとも諦めともつかない老委員の話を聞いていたが、やがて食堂奥のカウンターの方から、閉店を告げる威勢の良い声が聞こえてきた。
 老委員は残ったコーヒーを飲み干すと席を立つ。
「すまないね、つまらない話に付き合わせちゃって。」
「いや、こちらこそ。今度の報告書で、前回の埋め合わせができるように努力しますよ。」
「その時は、また呑みに行きましょう。」
 古池は『呑み』という言葉を聞いて眉根を寄せそうになったが、何とか作り笑顔を浮かべてみせた。
 その顔が余程おかしかったのか、ダンツは思わず吹き出す。
「この前、そんなに大変だったかな?」
「正直…」
 声をあげて大きく笑い出したダンツは、それでも自分の中の感情を表現しきれなかったらしく、カップを持っていない方の手で自分の太股をはたいて更に笑う。
「僕はね、君のそう言うところが好きなんだよ。古池君。」
 古池も釣られて笑い出した。

 んなわけで、更新遅滞しておりますが、冬コミに何か新刊を出すための準備期間としてご了承頂ければ幸いです〜。

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:22334+14500くらい


11/17

お題目:更新したつもり(汗)
 おもむろに更新したつもり(アップロードしたつもり)でいたら、ものの見事にテンプレートだけアップロードしてました(笑)。なんてこった。
 んなわけで、へいどんと共にこんな事に加担してたりしました(笑)。実際に動いている画面は、こっちの方に詳しく載ってまふ。


 悪友軍団の一人であるところの銀河皇帝(近日中に、半径5キロ以内に引っ越し予定)がAirH”を導入したのですが、これがまた結構具合がよくて羨ましい〜。
 先週、みんなで飯を食おうという事になって、もんじゃ焼き屋を探したのですが、すぐ近くまで来てどうしても見つけられないという事態に遭遇。そこで異様なまでに役に立ったのがAirH”搭載のPowerMacG4でした。
 その場でネットに接続し、地図サイトで車の現在位置の住所を検索。その近隣で目的の店の周囲の状況に適合する場所を発見し、無事到着という、かつては夢物語だったような事が実際に出来てしまうのに衝撃を受けました。
(そうです、拙者の『シートがリクライニングしない』車には、ナビゲーションシステムなどという高尚なモノは搭載されていないのです)。
 久方振りに、物欲を刺激されるモノでありました。ううう、欲しい〜。


 しかしながら、物欲発動と言えど、先立つモノがないという事実には勝てず、大敗北を喫しっぱなしだったりするわけですが、なんとかしたいなぁ。
 買うためには、お金が必要、お金を稼ぐために、何か作る事が必須という見事なデスラー三段論法(意味不明)。そんなわけで、尚更ながらに、強制創作〜(笑)。
 何にせよ、冬コミのために気合いが入ったということで。

 では、次回の更新をお楽しみに。

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11/16

お題目:再起動

 本日、銀河帝国書院の最高意思決定機関である『ガストでお茶飲んで適当にだべる会』に於て、突如としてごく一部の人間しか知らない何かの企画が再起動しました。
 内容に関しては、このマークで分かる人は分かるということで、該当者は対ショック、対閃光防御。来年は、多分これでし。


 でも、シナリオも半端だし、プログラムもこれからだからなぁ………キャラクタデザインもまだ。
 何となく形が出来てきたら公開開始しまする〜。とりゃ!

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:21370+14500くらい


11/14

お題目:何カ月ぶり?
 こんな風にホームページに絵を載せるのって何カ月ぶりでしょう(笑)。今年は、本当にプログラムとシナリオ漬けの日々でした(シナリオの方は爆沈したけど(業泣))。


 とりあえず、今月末の学祭用の本と、コミケに向けての第一歩ということで。どーなることやら。学祭用本に関しては、編集者から『何描いてもOK』という承諾を得たので、何かやろう(悪のたくらみ)。
 …その前に、仕事(プログラムと原稿)何とかケリつけないとなぁ(汗)

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:21231+14500くらい


11/13

お題目:銀河帝国粗品
 コミケ当選しました。
 一日目、土曜日、西地区“こ”19a『銀河帝国書院』、二日目(日曜日)、東地区“ヨ”55a『BlackDwarf』であります。新刊予定とか、まだ書けるような状況にありませんが(こんなに原稿とかプログラムとか書いているのに、同人絡みで書いていないのって初めてかも)、これも明らかになり次第、順次掲載していきますので、どうか御待ちくださいませませ〜。


 だんだんと寒くなってきているわけですが、ここ数日のいきなりの寒さのおかげで指先もかじかむような時も少なくありません。
 FEPの変換をした瞬間、自分の想像を絶する文字が目の前に出てきたりするのも、この頃です。
 通販申し込みへの返信を送るために、メールを書いていたその時、いきなり出てきました。『銀河帝国粗品』………
 ………なんだこれは。
(どこをどうタイプミスしたか、考えてみよう(笑))

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:21186+14500くらい


11/10

お題目:え?
 SSって、『サイド・ストーリー』の事だったのですかぁ!?。てっきり、『ショート・ショート』の事だとばかり………
 これは結構、恥ずかしいかも。質問の意味を根本的に取り違えてる部分があるし(汗)。
(変だとは思ってたのです。他の方のお答えみたら、問17あたりで答えが全然違ってるから………セリオやマルチを題材にして志賀直哉が短編書くというのも壮絶かも(汗))

 でも、まあ、答えちゃったのは仕方ないので、直さないという方向で行きます。だめ?


 げげ!『亜生命戦争異聞』、テキスト容量で『時を継ぐもの』の半分以上いってる!
 うう、まだ全体の三分の一程度しか書いていないのに…展開遅すぎ(汗)
 まずいなぁ、ここから突如急展開って訳にも行かないし…

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:20996+14500くらい


11/08

お題目:本が出た。
 某社から、某本が出ました……何だかさっぱり分からないと思いますが、その通りです。
 具体的に言うと、ここしばらく仕事で関わっていた(添付アプリを作成していた)本がようやっと完成の運びと相成った訳であります。SOFTBANK Publishingから発売されている『合格ヘルパーvol.1』(価格:1000円)です。添付されたアプリはWindows版ですが、気になったら本屋で見てやってくださいませませ〜。


 リンクページを更新。多くの人が認めるところである、巫女描き第一人者、森見明日閣下のサイト、森見屋を追加し申しました。仮営業中なれど、非常に生活感溢れる日記が…(汗)。


 風邪引いたようで、早めに寝るつもりなのですが、その前にsugichi殿のところからこっち(『SS書きさんへのひゃくのしつもん』)に来てみたり………んでもって、結果がここにあったり。

 遺憾、寝まする。

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:20870+14500くらい


11/06

お題目:亜生命戦争異聞#14
 誰かが生まれる。
 誰かが惑(まど)う。
 誰かが泣く。
 誰かが吠える。
 誰かが殺す。
 誰かが死ぬ。
 誰かが走る。
 誰かが誘(いざな)う。
 誰かが知る。

 誰かが、救う。


 都市は全てが人を受け入れるための万全の備えを整えていた。
 しかしそれが、ただ一度も人を受け入れることなく打ち捨てられた姿。
 その整然とした廃墟、受け入れるべき魂を与えられぬまま死んだ都市は、歴史的な遺物が決して持ち得ることのない悲壮と虚無を兼ね備えていた。
 滑り込むようにグリーンヒルへと舞い降りた古池は、視界の一角に見覚えのある建物を捕らえた。
 それは一瞬にして視界を走り抜けていく。
 苦い感情が脳裏をよぎる。
 その瞬間、下層意識が強烈な警告を放った。
 何かいる。近づいてくる。
「警告!、変異体が接近中!」
 数瞬遅れて、セトの声が届くまでには、下層意識は変異体の位置と数、そしておおよその脅威レベルまで古池に伝えてきていた。
 頭のないツチノコの様な、あるいはオタマジャクシと言うべきか。元々は酸素生成用に放たれたものらしかったが、原型をとどめないほど異様な姿に変異している。
 脅威レベルが低いはずの彼らは、躊躇する様子もなく突っ込んできた。
「!」
 古池が回避の判断を下す前に、下層意識が緊急機動に入った。一気に降下し、寸でのところで変異体を避ける。
 メカニクスも下層意識も介さない、生に感じるG(加速度)が心地よくすら感じる。
 フレディとミュサ(ミューゼ)も回避行動に入ったのが見えた。
 これは、攻撃じゃない。
 変異体の行動に古池は困惑した。
 攻撃であるなら、敵に最大限のダメージを与え、かつ敵の攻撃から身を守る方法を取るはずだ。だが、変異体達は盲滅法に突撃してくるだけなのだ。
 全速力で突っ込んだため減速しきれず、地面や建物に激突し、無残に潰れるものもいる。
 およそ攻撃とは言えない、単なる自殺行為だ。
 突っ込んでくる理由も分からない。たとえ変異体だとはいえ、彼らが古池らを襲う理由がないのだ。
 上空で遭遇した亜生命体には、古池らを捕食対象と見なしていた。それは分かる。しかし、今古池らに襲いかかってきている亜生命体は、元は酸素生成用だ。
 捕食機能はなく、そのため縄張りも持たない。
 そんな彼らが何故古池達を襲わなければならないのか…
 古池の思考は下層意識の警告によって断ち切られた。
 驚く間もなく再度の回避機動。今度は急上昇。
 整地ブロックを突き破り、ラピス・ヴォラーレ・ラムビリカス(石喰らいミミズ)が飛び出す。既に変異体と化した彼らは、接触したものに見境なく喰らいついている。
 古池の下層意識がさらなる警告を出した途端、フレディが荷電粒子弾を撃った。
 目の前で閃光が輝き、警備用ドローンが火を吹いて墜落する。
「警戒システムが侵食を受けている模様です。以後射撃フリー。プラントセンターに向かってください。」
 セトの緊張した声が届くと同時に、古池の目の前に警戒ドローンが現れた。
 下層意識がロックオン警告をがなりたてる。
 直上に滞空するドローンはひとまず無視し、古池を狙うミサイルを丁寧に撃ち落とす。
 警備ドローンは数回空中で痙攣するような動きを見せた後、自爆した。母艦からの強制オーバーライド信号を受けたのだ。
 その後も、変異体達は古池らに引き寄せられるように次から次へと襲いかかってきた。種類も数も増えつつある。
 限(きり)がない…
 フレディと古池は収束エネルギー弾を放ち、前方の変異体を一掃。グリーンヒルの中心部へと侵入した。
 先行して地形マッピングを進めているはずのフランが隠蔽状態(ステルスモード)を解除していないのが気になるが、調べる余裕などない。
 ミュサ(ミューゼ)が進攻ルートを提示してきた。
 都市に建設されたモノレール沿いを一気に進み中央区画を横断、プラントセンターに至るコースだ。
 フレディはすぐさま、古池も数瞬考えて同意した。
 ミュサが先導し、更に高度を下げる。
 ジャミングを行う筈のフランがいないため、ミュサ(ミューゼ)がルックダウンレーダーを使い、大出力の電磁パルスを放射する。
 本来は遠距離策敵用のものだが、最大出力で動作させれば50メートル離れても十数秒でステーキが焼ける。
 この高度であれば、地上の亜生命達はその大多数が一時的にせよ機能を停止する。
 ミュサ自身でさえ長時間の連続放射は危険が伴う程だ。
 亜生命達の攻撃が弱まったところで、モノレール線路と平行して進む。
 インゲンス・ムスカ(巨蝿)が文字どおり集(たか)ってくる。
 まるで禿鷲(はげわし)の様だ…たしかに、彼らは分解者なのだ。
 緊張を強いられている筈なのに、古池はこの連想に笑みを浮かべた。…少なくとも、自分では微笑んでいる様に感じた。
 下層意識が後方からの接近物体があることを伝えてくる。
 それを視認した古池は、彼らが自らに与えられた能力を最大限に利用している事を知った。
 変異体は貨物用モノレールを侵食し、半ば融合した姿で疾走してきたのだ。
『何でもありだな。』
 古池はそう思いつつ、一気に減速をかける。変異体が古池を追い越すのとタイミングをあわせて収束エネルギー弾を叩き込んだ。
 数瞬の後、変異体は内部からの圧力で爆散する。
 砕け散る変異体の姿が、古池に惑星アヴァロンの姿そのものを連想させた。
 もし、変異体が中性子爆弾を侵食したら…
 恐怖と悲しみが古池の心を締めつける。
 急がなければならない。
 何としても、破滅を回避しなければならない。
 官庁街になるはずだった中央区画に近づくに連れ、周囲の様子が変化してきた。
 ほんの数カ月前に建てられた筈の建築物が無残に朽ちている。
 その原因は、目の前に建つビルに喰らいついていた。
 スコプルス・ヴォラーレ・コンチャ(岩喰貝)。みてくれは殻付きの海牛か何かに見える。
 本来ならば、土壌を生成する前段階として、岩を喰らって擦り潰しミクロン単位の岩、つまり粘土として排泄させる為のものだった。
 それが今はビルに取り付き、コンクリートを貪り食っている。
 確かに亜生命達は制御を失っている。
 だが、彼らは決して異常な行動をしているわけではない。ラピス・ヴォラーレ・ラムビリカス(石喰らいミミズ)も彼らも、単に岩より魅力的な餌を見つけただけのことだ。しかし…
 スコプルス・ヴォラーレ・コンチャ(岩喰貝)は、突如として足腕を振り回し、古池らを目がけて落ちてきた。
 これが敵意なのかどうかは分からない。しかし、結果として攻撃されている事には違いない。
 彼らには古池を襲う理由がないにも関わらず、である。
 何か理由があるはずだが、その調査は、今となっては母艦に任せるしかない。
 中央区画に入ると、いきなり視界が開けた。
 周囲のビルが根こそぎ薙(な)ぎ倒され、鉄骨とコンクリートの荒野になっている。
 崩れ落ちたビル群の中に一つだけそびえるビルの残骸。それが視界に入ると同時に、セトと下層意識が同時に警報を発した。
「前方に何かあります。最大限の警戒を!」
 何が一体…
 そのビルの残骸から、ガレキが飛び出してきた。
「な、に?」
 驚嘆の溜息がこぼれた様な気がする。
 感じることはできなくても、体はそう反応したはずだ。
 数トンはあると思われる、車ほどの建材の塊が、目の前を軽々と舞っている。
 慣性制御かと訝しむ間もなく、それはまっすぐに地面に落ち始めた。
 すぐさま回避機動をとる、が、瓦礫(ガレキ)は古池の遥か手前の地面に激突し、粉々に砕けた。
 驚いて、確認する。様々な感覚器官によって生み出された明瞭すぎる視界が、逆に古池から距離感を奪っていたのだ。
「古池博士(せんせい)?」
 心配そうなセトの声が響く。思わず苦笑する。
 古池が体制を立て直す間にフレディが先行し、火山弾の如く瓦礫を噴き出し続けるビルの残骸に攻撃を加える。
 ミュサはそれと同時に残骸の内部を探測。叫ぶような一言だけが届く。
「中!」
 指示か結論かは問題ではない。
 それだけで充分だった。
 フレディの援護射撃の下、懐に潜り込むように一気に接近した古池が、最大出力の収束エネルギー弾を至近距離で叩き込んだ。
 生のエネルギー数ピコグラム分にも相当する熱量の槍は、周囲の全てを熔かし電離させながら突き進み、残骸を切り裂き、その奥に潜む何者かに一撃を加えた。
 ビルの残骸が、剥がれ落ちるように崩れ去る。後退する古池の眼前に、巨大な何かが現れた。
 フレディも、ミュサも、古池ですら、一瞬忘我として『それ』を見つめた。
 ビルほどもある『それ』は、昔見たSFX黎明期の番組に登場する怪物を彷彿とさせた。
 …インマニス・インソレンセンティス(巨大変異体)。
 呆然とする古池らをよそに、下層意識と母艦の電脳は冷静にその正体を見極め、対処を始める。
 意志とは無関係に後退する機体。
「駄目だッ!」
 我に返った古池は母艦の指示を無視(オーバーライド)し、インマニス・インソレンセンティス(巨大変異体)に再度の攻撃を始める。
 このままインマニス・インソレンセンティス(巨大変異体)がテラフォーミングの中核をなすグリーンヒルを荒らし回れば、アヴァロン計画は回復不可能なダメージを受けかねない。
 それだけは何としても避けなければならない。
「博士(せんせい)、無茶です、迂回してください!」
 セトの懇願するような声。
『さあ、眠らせてみろ!』古池は内心叫んだ。
 これほど切迫した状態で機体の制御を下層意識に代行させることは、古池自身の死につながり兼ねないことは母艦(マザーシップ)側も分かっている。
 だからこそ、母艦(マザーシップ)は手出しできないのだ。
「探測結果。目標は群体です。変異体の結束肢(ノード)が個体を集合させています。結束肢(ノード)か神経節を重点的に攻撃してください。」
 ミュサが探測結果を伝えてくる。
 母艦(マザーシップ)側が、事実上古池の行動を黙認した訳である。
 古池自身は自分の決断が正しいとは思ってはいなかった。
 最重要目標はあくまで中性子爆弾である事に変わりはない。タイムスケジュールの遅延、問題発生可能性の増大。この行動から引き起こされるリスクは、数え切れない。
 しかし、このまま看過することも出来ない。
 そして…
 人間なら、伸ばした自分の手すら見えなくなる程に立ち込める土煙。
 崩れ落ちるビルの残骸と瓦礫の雨。
 その雨をかいくぐり、インマニス・インソレンセンティス(巨大変異体)に攻撃を加え続ける。
 撃てば、答えが得られるような気がしているからだ。
 有り得ぬはずの事態の答えが。
 亜生命達の、襲い来る理由が。

 古池の全身を駆け巡るアドレナリン。全てが研ぎ澄まされた感覚の中で、どこかが醒めている。
 うなされるような興奮と、もの悲しいまでの冷徹に満たされ……気がつくと、古池は泣いていた。
 涙は、まだ熱かった。

 では、次回の更新をお楽しみに。

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10/29

お題目:MacOS X対応版三題
SimpleShot X
iちゃん
ときわさん
 うえから、SimpleShot、「iちゃんのうらない」、「ときわさんぷかぷか」。いずれもCarbon版です。SimpleShotは、某oh!X 2001春号に掲載されたものをCarbon対応にしたものです(中身はほとんど書き変わっていますが…)。次号はこのCarbon化の過程を掲載する予定ですが、oh!X自体がいつになるか分からない(業泣)ので、あんまし期待しないで待っていてくださいませ〜(気が変わったら、別の記事にしてしまうかもしれないし)。


 んなわけで、Carbon開発にもなんとか目星がついてきた、今日このごろ。
 なんとなく、未公開映像っぽいので、お蔵出し〜。
 いかがなもんでしょう(^^;、気が向いたら、適当に公開していく所存でありまする〜。

 では、次回の更新をお楽しみに。

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10/26

お題目:ぷかぷか
ぷかぷか
 ぷかぷかしてます。


 それが何かと聞かれたら〜。ぷかぷか。


 なんだか完成(笑)………OS Xでも動作確認完了………しかし、いくらなんでも公開できないよ、これ(汗)。

 では、次回の更新をお楽しみに。

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10/24

お題目:亜生命戦争異聞#13
 ロブはそれ以来ちらりとも顔を見せなかったが、一度だけフレディが様子を伝えてきてくれた。
 フレディによれば、ロブはやはり神経質になっているらしく、周囲の人間もかなりまいっているらしい。
 いつも陽気な分だけ、怒り出すと手がつけにくい。
 古池はロブに何か一言言うべきかと考えはしていた。
 しかし楊(ヤン)は、彼女の言い分からすれば『ひょっこり現れては研究の邪魔ばかりする』ロブが現れないことを幸いに、古池に予定通りの中間報告書の提出を迫った。
 こうなると、前回、四通もの中間報告書の提出をすっぽかした古池は弱い。
 半ば仕方なしに、半ば量子電池への期待を込めて、シミュレーションや試作に関する資料の収集などを進める事にした。

 それから一週間ほど。
 量子電池の試作設計について、などと、古池の研究室にしては珍しく建設的な議論が行われているところにロブがやってきた。
 いつにもましてにやけた顔をしたロブを見て、古池はすかさず口を開いた。
「出張先が分かったのか?」
 出鼻をくじかれたロブは、眉根を寄せて嫌な顔をした。
「何だよ、知ってたのか。」
 古池は研究員の皆に休憩にする事を伝えると、ロブの方に向き直った。
「この前あれだけいきり立ってたお前がにやけてくる理由なんて、それくらいしか思いつかないだけだよ。」
 手許の資料を両手で揃えると、机の上に置き直す。
「で、ダンツ爺さんは我々にどこに行けと?」
 いつも様に机の隅に腰掛けたロブは、白衣の内ポケットから一通の封筒を出す。
「ほい。」
「ん、なんだこりゃ?」
 封筒を受け取った古池は、封を開けて中を見た。パラフィン紙の様な、向う側が透けて見えるような薄い紙が一枚。そして、PAS、つまりパンオービットエアロスペース(汎軌道航空宇宙旅客運輸会社)の搭乗カードが一枚。
 カードの表には、第一旅客ステーションへの往復パスであることが書かれている。期日は無記載だった。
 薄い紙の方には、古池の身分を示す記述と、パスを有効とする条件、パスポートと検疫情報の所持などが古式ゆかしき形式で示されていた。
 古池は訝(いぶか)しんで訪ねる。
「月軌道が行き先じゃなかったのか?」
 ロブはパチンと指を鳴らした。
「それだ。」
「随分ともったいぶってくれるじゃないか。」
 古池の不平を無視して、ロブは続ける。
「旅客ステーションから月軌道へは、委員会のシャトルを使う。」
「…大盤振る舞いだな。」古池は驚いて言った。
 委員会のシャトルは2kth級の軌道空間専用もの。kthは、キロトン×時間の単位だから、燃料満載時に2トンの推力を一千時間持続できる。
 今となっては小型艇の部類だが、それでも繰り出すとなれば費用は相応に掛かる。
 毎週の定期便も就航している月軌道に行くのに、なぜ委員会のシャトルを使わなければならないのかは、古池には見当もつかなかい。
 首をかしげる古池を見て、ロブは満足そうに頷く。
「行き先、ホントに知らなかった様だな。」
 苦い顔をする古池。
「疑って掛かってたのか?」
「ちょっとな。」
 ロブは素直に認めた。
 PASのシャトルで行かないのには理由がある。」
 机から降りたロブは、さっきまで討論に使っていたホワイトボードに円を二つ描く。
 片方に『地球』、もう片方に『月』と書いたロブは、月の外側にもう一つ円を描くと、『月静止軌道』と書き加えた。
「旅客ステーションから、月ステーションまではPASの定期便が出ているが、目的地はそこじゃない。」
 ロブは『月静止軌道』の外側、月を挟んで地球の反対側に黒い丸を描く。
「目的地はここ。ラグランジュ3だ。」
 古池が眉根を寄せてぼやくように言う。
「ラグランジュ3は月軌道じゃないぞ。」
「隠しておきたいのさ。地球から。」
「委員会が何を隠そうって言うんだ?」
 ロブは片眉を上げて古池を見る。
 ニヤリと笑う。
「デカイもの。月の裏に隠すほどに。」
 委員会のデカイもの………何か思い当たる節があるような?古池は頭をひねった。
「航宙艦、だ。」
「なに!」
 思わず立ち上がってロブを見る古池。
 ロバートはその驚愕の表情を見て、満足そうに笑う。
「まだ一年…」古池はカレンダーを見直す。「一年経っていないぞ!」
 腕組みしたロブは、頷いた。
「一年経っていない。どんな状態なのか俺も知らん。軌道に建設用ステーションがあるだけで、まだ骨組みも無いのかもしれない。だが、詳しいことは、見に行けば分かるさ。」
「…お偉いさんがたは、一体何考えてるんだ?」
 古池は驚き覚めやらぬといった感じでカレンダーから目を離そうとしない。
「わーからんよ。だが、我々に『見に行け』というんだ。ありがたく物見遊山と洒落込もうじゃないか。」
「ふむう。」
 椅子に腰を下ろし直した古池は、今度は封筒を見る。
「委員会も本気だな。」
 ひとりごちる様に言う。
 そばの端末に向かっていた楊(やん)が、すかさず間の手を入れた。
「博士(せんせい)にも、早く本気になって欲しいものです。」
 ロブと古池は、顔を見合わせて苦笑した。
「で、どうするね、古池(フル)。」
 古池は少し考える様子を見せたが、すぐに答えた。
「行くしかあるまい?」
 その答えを待ちかまえていたかの様に、ロブはもう一枚の書類を差し出した。
「後で詳細画メールが届くと思うが、委員会からは出張期日の指定は無いようだ。好きなときに行けって事だな。一応ダンツから申請書類を貰ってきた。いつ行くか決めたら、俺にも教えてくれよ。」
「ああ、分かった。」
 ロブが研究室を去った後も、古池の興奮はしばらく収まらなかった。
『計画とその進行は、遅れこそすれ、早まることは決してない』
 これは、委員会の慣例とも言えるもので、今までこの鉄則にただの一つの例外も無かった。
 しかし今回は違う。委員会は本気だ。古池は初めてそれを実感した。
 あと4年…
 それまでに終わらせなければならない事は、山ほどある。
 研究室の全員を集めた古池は、量子電池に関する検討を再開した。

 では、次回の更新をお楽しみに。

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10/23

お題目:ごめんよー
 全然更新できないよー。ごめんよー。もう少しまっててよー(業泣)


 んなわけで、更新遅滞が続いております。HPの暫定移動とか、メールアドレスの変更とかあるのですが、近日中に告知いたしまする〜。

 では、次回の更新をお楽しみに。

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09/18

お題目:サンクリ13顛末記
 んなわけで、まずはサンシャインクリエイションで「兄君さま詰所」に御来訪頂いた皆様に感謝いたします………って、拙者らも当日聞いたのですが(汗)。
 では、例によっての当日顛末記であります。記憶違いとかあったら、掲示板とかで突っ込んで頂けると幸いです。
  • 09/15
     前日。午後4時頃に平野到着。前回の反省に立って、前日のうちに在庫をバックパックに詰め込む。仕事に何とか一区切つけて、Mac用シューティングの細かい調整。この時点で既にCD-R化は断念し、サークルブース上でのデモに専念することを決めているが、やらなければならないことは多く、苦労する。それでもの幾つかの機能を追加して一段落。サイエンスアイを見終わってから就眠。

  • 08/11
     当日は六時起床。でも六時半頃まで布団の中でもぞもそ。七時に最寄りの駅から出発。
     池袋着は八時。サンシャインまで歩いて、コーヒー屋で朝食&時間調整。九時にねこねこ殿と合流。サークル入場口へ。実は今回、件のテロ事件のため、サークル関係者の一人がハワイで足止めを喰らって帰国できず、いろいろと問題が起きていたりした。
     入場時にカタログを購入。いろいろと調べたが、今回はもんりーのサークルは確認できず、かつ、『新刊を落した』というメッセージだけがカタログに掲載されていたという体たらく。さすがに『数日前に購入し、そのまま放置した鳥の唐揚げを喰って腹を下すのが趣味』な漢は違う(笑)。黒鵜はマザーボードの批評家として名を成すために現在修業中らしい。うーむ。
     毎度ブースを手配していただいているねこねこ殿(某自治体の某担当で、某キャラの○○○ー作成など、自治体の○○担当とは思えぬガッツなチャレンジを続けるナイスガイ)には差し入れまで頂いてしまって心苦しい限り。拙者ら、配置されたジャンルの事はまいど予備知識ゼロの当日任せなのは問題あるかも………
     ちなみにトイレは、例によって大混雑。開場前まで厳しい状態が続きました(汗)。

     11時開場。開場直後は別のサークルで店番。んが、目の前のサークルに突如列が発生。ドキドキしながら推移を見守る。前回も書いたけど、サンクリの二極分化はスゴい。とはいえ、大手サークルもサンクリで完売を目指すために、他の即売会に比べて搬入する本をかなり少なめに設定しているらしい。つまり、サンクリでの新刊は、それだけで入手困難だとも言えるそうな。それが原因になって、もっと混雑して欲しくないが。んでもって、人波の中に、森見明日殿から頂いた本を抱えている方が居たので、サークルが有るのかと思ってカタログを探したが、結局発見できず。どこかで委託販売してたのか、あるいは夏コミで仕入れた本を現地で分配してたのか。このあたりは不明。
     三十分後、店番交代。自分のサークルに戻るも、未だ売上なし(笑)。ゲームの方はバッテリ節約のため、デモプレイを十二時すぎから行うことを決め、そのままだらだらと十二時半頃まで何にもせず経過。平野が外に何か買いに行くと言って外に行ったら、いきなり帰ってきた。何とまだ全館入場フリーとはなっておらず、その為にサークル通行証が必要だったのだ。しかし、その確認のためにわざわざスタッフが一人付いてくるのも問題あるよーな気がする。
     何となく人が流れ出したので、ゲームのデモプレイ開始。ゲームに注目してくれる人は多かった。前回の『gShot』とは違って、オートデモ付きなので、放っておいてもちゃんと動くのは嬉しい(実は、gShotにもプログラム中にこの機能があるのだが、動作確認する時間がなかったので、使っていなかったのだ)。プロセッササイクリングを使わないとあっと言うまに機能中断に陥ると言われているPowerBookG3だったが、想像以上にバッテリが持ってくれたのも嬉しい誤算だった。とはいえ、次回もこういう風にうまく行くとは限らないけど。
     で、肝心のゲームの評判の方は仲々好評だったのだが、Mac用だと聞くと手のひらを返したような態度を取る人が居たのにはまいった。デモ機に巨大なリンゴマークが付いているのだから、気がついて欲しい………(もちろん、そうでない人の方が多かったのだが)。
     それからしばらくして、ようやく入場制限解除。と、同時に本が売れ始める。しかし、売れるのは、やはりメガディクメインで、他は今一つパッとせず。オリジナルだとなおさら辛い。どうやら、この館に来る人の目当てのジャンルは、うちのサークルの傾向と全然違っていたらしい。
     また、入場制限解除の後でぽつぽつと知り合いの方がいらっしゃってくれた。とはいえ、告知もへったくれも無い状態だったので、偶然見つけて下さった方がほとんどだった。
     とかしているうちに皇帝からTEL。色々話した結果、こちら(池袋)に来てもらうことになった。本はまあまあ売れたとは言え、在庫を背負って帰るのは嫌(笑)だったから非常に嬉しい。
     閉会直前に、OB会のY氏と偶然遭ったりして驚く。サークルブースを取っていたのに全然気がつかなかったのは、やはりカタログを見ていない証拠か。しかし、メールアドレスのdourakumono.or.jpはすげえ(汗)
     三時半、閉会。ぼつぼつと撤収し、朝食を喰ったところと同じコーヒー屋で皇帝と合流。帰路についたのでした。

 んなわけで、例によって例の如く色々あったわけですが、ねこねこ殿が帰り際に『次はレヴォです』と言ってたので、次はレヴォです(予定)。今度は新刊出せるといいな(希望的観測)

 では、次回の更新をお楽しみに。

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09/11

お題目:苦悶中
 うう、遊びに行きたい………


 BiTmap Publishingの方で、こんなのがあったので、拙者も………

  • Q1:Marathon三部作
  • Q2:Durandal1707
  • Q3:スペースインベーダー(あと、Qixか?)
  • Q4:Mega Drive(+ MegaCD + Super32X)、V Saturn、Play Station、DreamCast、NeoGeo Pocket(あと借り物のGameGearとGameBoy)(9/13追記)
  • Q5:Macintosh(他は完全に沈黙)
  • Q6:MD、他にどう書いても信じてもらえない(笑)
  • Q7:シューティング(2D/3D)
  • Q8:レイクライシス
  • Q9:イッチングスキン(ウィザードリイVI)
  • Q10:嗜虐系まとめて全部。
  • Q11:戦国TRUBファンディスク
  • Q12:ゲームは勝負の手段に在らず。
  • Q13:ヴォルフィードとフロット・オブ・メイズ
  • Q14:ジュエルマスター。
  • Q15:ふむ、興味深い反応だ

 最近、こんなのが出るという話があるようで………マルチとかのソフト入りか………開発ツールキット付きで一万円か………。sugich殿(うう、ハンドル名間違えてました。9/13修正)、いかがでしょう?(汗)。

 え?今回これだけ?………そうです。これだけ。今は、詳細書く時間が惜しかったり………うう、遊び行きたいよぉ。

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:18581+14500くらい


09/07

お題目:唐突ですが
 唐突ですが、9月16日に池袋サンシャインシティで開催される『サンシャインクリエイション』に参加することとなりました。本業が多忙を極めておりますので、新刊の用意はできない可能性が高いのですが、何か新しいのが出ます(多分Mac用の新作シューティング(汗))。ご期待下さいませませ。


 なんか色々停止してます。亜生命戦争異聞も止まってます(汗)。ゴメンなさい。全部Windows MFCのせいです。これを設計したのは絶対人間じゃないです。C++を扱える存在も人間以外であると認定することにしました。えーい、ビーム発射!
 オブジェクト指向もクラスも嫌になりました。たしけてー(涙)。


 そんな訳で、更新が遅滞しておりますが、何卒ご容赦下さい〜。

 では、次回の更新をお楽しみに。

Number of hit:18374+14500くらい